最低賃金
- 最低賃金は、何を基準に決まりますか?
- 最低賃金は、地域別最低賃金と産業別最低賃金がありますが、通常は所属している会社の事業所がある地域によって決まります。
例えば、千葉県在住の人が東京都の事業所で働く場合は東京都の最低賃金が適用になります。
最近はテレワークをする人も増えました。この場合も、本来その方が属している事業所の場所で決まります。「完全テレワークで会社にほとんど行かなくなった」場合でも自宅は「事業場」にはなりませんので、自宅がある都道府県の最低賃金とはなりません。
試用期間中の社会保険・雇用保険
- 新しく正社員として雇った従業員がいます。弊社は入社後3ヶ月間の試用期間を設けているので、試用期間中は社会保険・雇用保険に加入する必要はないですよね?
- 正社員やパートタイマー、アルバイトなどの雇用形態を問わず、労働条件が社会保険・雇用保険の加入要件を満たす場合は、試用期間中であっても入社後速やかに加入の届出をする必要があります。
雇用保険の失業給付を受給している間は、家族の社会保険の被扶養者にはなれないのですか?
- 契約社員として働いていた会社を退職することになり、雇用保険から失業給付を受ける予定です。このような場合、家族の被扶養者になれず、給付受給中の医療保険は任意継続か国民健康保険に入ることになるのでしょうか?
- 雇用保険の基本手当だけでなく、傷病手当金の継続給付のように退職後も公的な制度から支給される給付を受け取る人を、被扶養者から一律に排除するような規定は、被扶養者認定についてはありません。
給付金額が被扶養者の認定基準である年額130万円未満であれば、法的には認定できない理由がありません。年収130万円を360日で除すると1日3,611.111・・・となりますので、基本手当日額が3,612円未満(60歳以上等は5,000円未満)で、かつ日額に360日を乗じた額が被保険者の年間収入の2分の1未満であれば年収要件をクリアし、扶養認定する組合が多いようです。しかし、この条件を満たすのは社会保険の標準報酬月額が16万円以下のみとなります。
また、健保組合によっては金額に関係なくこれらの手当てを受給している事実をもって認定を行わない組合もありますので、加入の健保組合に確認が必要です。
※自己都合による退職時の雇用保険失業給付までの待期期間、給付制限期間においては社会保険の被扶養者認定対象となります。
パートタイマーの就業規則は?
- パートタイマーに対する就業規則を作成しましたが、パートタイマー従業員からだけ、意見を聴取すればよいでしょうか?
- 労基法90条は、当該事業場の過半数を超える労働者が加入する労働組合がある場合には、その組合、それがない場合には、その事業場の過半数の労働者を代表する者の意見を聴取しその意見書を添付して、届出することにしていますので、その事業場において、パートタイマーを含む全労働者の過半数が加入している組合、それがない場合には、その事業場の全労働者の過半数の代表者の意見を聴取しなければなりません。
パート、アルバイトの有給休暇制度は?
- 当社では正社員に当然有給休暇の制度がありますが、パート、アルバイトにはありません。このような取扱いでよろしいでしょうか?
- 労働基準法上、パート、アルバイトも労働者であることから、正社員と同様に請求があれば年次有給休暇を与えなければなりません。ただし、所定労働時間が30時間未満で、かつ、所定労働日数が週4日以下のパート、アルバイトについては、労働日数に応じて権利として発生する休暇日数が少なくなります。ちなみに、発生する休暇日数は半年継続勤務、8割以上の出勤を条件として一般労働者10日、週4日のパート、アルバイト7日となっています。
時間外手当の単価計算は?
- 当社では、時間外手当の単価計算の基礎に基本給は当然含めていますが、皆勤手当などの諸手当は含めていません。法律上何か問題があるのでしょうか?
- 割増賃金の基礎に含めなくてよい賃金は、労働基準法施行規則に制限列挙されており、それ以外の賃金については含めなければなりません。具体的に含めなくてよい賃金は、家族手当、通勤手当、別居手当、子女教育手当、住宅手当(H11年10月1日追加)、臨時に支払われた賃金(慶弔見舞金等)、一ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金(ボーナス等)です。
退職時の有給の買取
- 退職する社員が、残っている有給の買取を求めてきました。会社は従わないといけないでしょうか。
- 年次有給休暇の趣旨は「労働者の心身の疲労を回復させ、リフレッシュすることにより、ゆとりある生活の実現にも資する」ですので、退職のタイミングでまとめて付与するのは趣旨としては認められません。しかし、労働基準法は労働者を守る法律でもあり、年次有給休暇を取得する権利は退職後には行使することができませんので、退職時に限り買取が認められています。
ただし、保有している日数すべてを買い取らなければならないわけではありませんので、何日分を買い取るかは双方の協議により決定する余地はあると思います。
その場合の会計上の処理については、「退職金扱い」で処理することが多いです。