自己効力感

日本では、1年のはじめのお正月よりも、春が「はじまり」の季節と感じられることがたくさんあります。新しい年度のスタートで、入学、進級、就職・・・事務所のなかを見渡しても、保育園に入園する、1年生になる、進級するなどなど・・こどもの生活が変わると大人もあわせて生活が変わりますし、こどもだけではなくておとなも、新しい環境に身をおく人がたくさんいます。

「はじめて」は、いろんな感情がうまれるものだと思います。ただただ、期待、楽しみに胸をふくらませるものもあれば、不安、心配がつきないものもあり、実際は両者がまじるものがほとんどだと思います。

何かによりますと、ヒトは本来、挑戦したい生き物のようです。新しいことを楽しめる生物だということです。ただそこに、日本人は不安を先に感じやすい文化的な性質があり、人により「期待先行型」「不安先行型」に分かれるそうです。

こどもなど、経験値の少ない場合、先のことがわからない、未知の世界に足をふみいれることに対して不安になる、そしておとなは、はじめてのことを取り巻く情報などの経験値があってこその不安もあると思います。

「不安先行型」は決して悪いことではないですが、新しいことへ挑戦していくうえでは少し後ろにひっこんでおいてほしいものです。

そんなときに大事なのは「自己効力感」です。

「自己肯定感」という言葉はよく知られていますが、このたび「自己効力感」という言葉を初めて知りました。

自己肯定感は、自分自身の存在を肯定できる・認められる力で、できるかできないかは関係なく、できてもできなくても自分を受け入れることをいいます。

対して、行動や成果に対して、「自分ならできる」と考えられることを自己効力感といいます。

自己効力感があると、

・落ち込みにくくなる

・チャレンジ精神を向上できる

・モチベーションを維持でき

・小さな成功体験を積むこと

・身近な例を参考にすること

・周囲がポジティブなサポートをすること

・健康を心がけること

などで、自己効力感を高めることが可能といわれています。

自己肯定感もとても大事だと思いますが、自己効力感も同じくらい大事だと思います。

はじめての場所に行くとき、行きの道は長く感じられ、帰りは早く感じることがよくあります。これも、行きは多少なりの不安があるから、でも到達点から出発点を見てみると、案ずるよりも生むが易し、たいしたことはなかった、と思えるからだと思います。

仕事においても「新しい仕事、はじめてのこと」は日々生まれ、挑戦していかなくてはなりません。尻込みをしないで、自分ならできる、と自己効力感をもって前向きに考えると道は開けてくると思います。そして、「できた、自分頑張った!」を積み重ねることでより前に進めるのだと思います。

「はじめて」とがんばってむきあっているすべての人たちにエールを送りたく、今日はこのテーマでお話をしました。